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━ ALFPフェローとしての経験を振り返り、何が最も貴重な体験でしたか?

一番貴重な出来事は、通常私が交流する枠を超えた、多様な背景や国の人々と交流する機会を持てたことです。
同意し、時には反論し、互いを理解し受け入れる「訓練」と経験が結果的に貴重だったと感じます。
また、異なる角度から物事を考えるようになったと思います。より広い学問的な枠組みで、ある主張に同意するとか反論するというだけでなく、
意見を統合するということを考えるようになりました。
 
同期のフェローと頻繁に連絡を取り合うことはありませんが、いざ連絡を取れば非常に強い相互理解と友情のつながりを感じます。
(余談ですが私は東京で今のパートナーと知り合い、今年で10周年を迎えました!)


━ ALFPでの経験はあなたを変えましたか?当時ALFPに参加することの意義は何でしたか?

ALFPの経験は私の視野を開き、物事をシニカルに捉えがちな自分を変えました。
当時、私はキャリア半ばにあり、3分野の仕事に奔走しやや疲れていました。
文化芸術の分野では演劇、テレビ、出版の製作会社を運営し、メディア分野ではアナウンサーやジャーナリストとして活動し、
女性の権利を扱うNGOや、HIVやエイズの治療、相談、情報提供の為のNGOでもボランティアをしていました。
ALFPはそんな当時の私に、多分野で活動を続けることの意義(一つの専門分野に特化しないこと)を再確認させてくれたと思います。
気持をリフレッシュさせ、自信を回復することができました。
 
ALFPの経験は研究方法論の向上にも影響を与えました。
学問的な意味ではなく、物事を研究する時、人はどのようにそれに向かっていくのか、という点においてです。
また、私の関心は幼少の頃より芸術方面にむいていたのですが、以前から科学について深く勉強したいという思いがありました。
そこで、後にオックスフォード大学にて科学・医学・技術の歴史の修士号を取得しましたが、
ALFPの経験が、同大学への出願につながり、この進路へ導いてくれたと信じています。
(在学中は、ドムス優秀賞奨学金も頂きました。)
 
ALFPに参加してから10年経ちましたが、未だに私は「好きなテーマ」について書き、自分が出来る事を並行して継続する方法を続けています。
限られた時間の中で最良の結果を得る為に次に何をすべきか、そこには常に不確定要素がある中、
ALFPでの時間がいかに特別な経験であったかを思い起こしています。
(事実、「伝説」の国際文化会館の朝食を懐かしく思うほど、感傷的になっています!)
 
心よりALFPプログラムをお勧めします。


iris PR社技術アドバイザー/Kuali Works芸術監督
アン・リー
Ann LEE
マレーシア
リー氏は、作家、編集者、ディレクター、講演家、そしてKuali Works theatre, television and publishingの共同創設者など、様々な顔をもっている。氏がてがけた脚本は各界での評価も高く、Asian Monodrama FestivalやNew York International Fringe Festivalで上演されてきた。内外の芸術家や芸術関連団体と緊密に連携しながら、マレーシアにおける芸術制作および鑑賞の環境整備に尽力している。また短編やエッセイも執筆しており、The Day Malaysia Woke Up(マレーシアが目覚めた日 Marshall Cavendish)、Sex, Stage & State(セックス、ステージ、そして国家 Kuali Works)などがある。広告業界でのキャリアも長く、シャンプーや靴などの製品のキャンペーンから環境問題、南アメリカ初の民主的選挙までも取り上げてきた。